「せっかく採用しても、すぐに辞めてしまう…」
そんな悩みを抱える店長は多いと思います。人手不足が続く中で、アルバイトの定着は店舗運営の大きな課題です。
もちろん、どんなに工夫しても辞めてしまうアルバイトはいます。進路や家庭、人間関係など、店長にはどうにもできない理由も多いのが現実です。
しかし、続けるか迷っている人にとっては『ここなら安心して働ける』という感覚が大きな判断材料になります。 だからこそ、日常の声かけで安心感を与えることが、定着につながるポイントになるのです。
1. 指示ではなく「共有」する
- ❌ NG例:「これやっといて」「なんで終わってないの?」
- ⭕ 改善例:「ここをお願いできる?わからないところは一緒に確認しよう」
声かけを「命令」ではなく「共有」に変えると、スタッフは自分ごととして動きやすくなります。
2. ミスを責めず「次につなげる」
- ❌ NG例:「何回言えばわかるの?」
- ⭕ 改善例:「次はこの方法でやってみよう」
ミスは避けられません。責めるより「次への改善」に目を向けると、安心して挑戦できる雰囲気が生まれます。
3. 感謝と承認を伝える
- ❌ NG例:「もっと頑張れよ」
- ⭕ 改善例:「今日の接客、良かったよ」「あなたがいて助かる」
「見てもらえている」という感覚はモチベーションに直結します。小さな一言が大きな定着効果につながります。
本質は「辞めない魔法」ではなく「信頼関係づくり」
ここで大事なのは、声かけは辞める人を止める魔法ではないということ。
どんなに工夫しても、生活環境や価値観の違いで辞める人は出ます。
それでも声かけを工夫することで「この職場は安心できる」「自分を認めてもらえている」と感じる人が増えれば、結果的に続く人も増えていきます。
実際、厚生労働省の令和5年 雇用動向調査によると、転職入職者が前職を辞めた理由として『職場の人間関係が好ましくなかった』が男女ともに上位に挙げられており、女性では13.0%という割合です。この結果は、職場の雰囲気や人間関係の改善がアルバイトの定着にも影響することを示しています。
まとめ
- 指示ではなく「共有」する
- ミスは「次につなげる」声かけに変える
- 感謝と承認を小まめに伝える
声かけは万能ではありませんが、安心感や信頼関係を生む大切な要素です。店長の一言が「続けたい」と思える職場づくりにつながります。